「青色申告にするとお得らしい。でも、ソフトを入れればいいの? 税務署に何か出すの?」
調べ始めた途端、申請書、帳簿、決算書と知らない言葉が並ぶ。そこで後回しにしたくなる気持ちは分かります。
青色申告の準備は、対象となる所得を確認する→承認申請の期限を調べる→記帳と提出の方法を決める、の順で考えると整理しやすくなります。 会計ソフト選びから始めるより、まず「自分は何年分から使うのか」を確かめましょう。
どうも。プロの引きこもり、まつながです。
以前、フリーランス向けの節税についてnoteにまとめました。今回はその中の青色申告に絞り、始める前の確認事項を整理します。制度の説明は2026年9月13日に確認した国税庁の案内に基づきます。実際の適用は所得の区分や記帳方法などで変わるため、迷うところは税務署や税理士に確認してください。
青色申告の「申請」と、毎年の「確定申告」は別
最初に分けておきたいのが、この2つです。
| 手続き | 何のためにするか | 確認するもの |
|---|---|---|
| 青色申告の承認申請 | 青色申告をするための承認を受ける | 所得税の青色申告承認申請書、提出期限 |
| 毎年の確定申告 | その年の所得や税額を申告する | 確定申告書、決算書など、申告期限 |
「年が明けたら確定申告の時期にまとめて考えよう」としていると、青色申告の承認申請が間に合わないことがあります。開業届を出したことや、会計ソフトを契約したことだけで、承認申請まで済んだとは限りません。
まずは、過去に提出した書類の控えやe-Taxの受信通知を探してみます。すでに承認を受けているのか、これから申請するのかで、次にやることが違うからです。
青色申告の対象は、事業所得・不動産所得・山林所得を生ずべき業務を行う人です。「フリーランスと名乗っている」「副業で報酬を受け取った」というだけで、対象になると決まるわけではありません。所得の区分が分からない場合は、そこから確認します。国税庁「青色申告制度」に制度の概要があります。
申請期限は、使いたい年と開業日から確認する
新たに青色申告を始める場合、承認申請書の提出期限は原則として、青色申告をしようとする年の3月15日までです。その年の1月16日以後に新しく事業を始めた場合は、原則として開始日から2か月以内となります。期限が土日・祝日に当たるときは、その翌日が期限です。
これは「その年の所得を翌年に確定申告する期限」とは別です。相続による事業承継などには別の取り扱いもあるため、該当する人は国税庁の承認申請手続で確認してください。
今から準備するなら、メモに次の3つを書いてみます。
- 青色申告を使いたい年分
- 事業を始めた日
- 承認申請を提出したかどうかと、その控えの場所
期限を過ぎているかもしれない場合は、希望する年分で利用できるか、翌年分に向けた準備になるかを確認します。焦ってソフトの設定だけを青色に変えても、申請の問題は解決しません。
「65万円控除」は、65万円が戻るという意味ではない
青色申告特別控除は、税額からではなく、所得金額から差し引く仕組みです。控除額がそのまま返金されるわけではありません。
主な違いを、事業所得がある人向けに整理すると次のようになります。
| 控除の上限 | 主な条件の違い |
|---|---|
| 55万円 | 原則として複式簿記で記帳し、貸借対照表・損益計算書等を添えて期限内に申告する |
| 65万円 | 55万円の条件に加え、期限内のe-Tax送信、または要件を満たす優良な電子帳簿の保存と必要な届出等を行う |
| 10万円 | 上記の55万円・65万円の適用を受けない青色申告者など |
いずれも「最高」の金額です。対象となる所得金額による上限もあり、必ず満額を差し引けるとは限りません。現金主義の特例を選んだ場合などの扱いも含め、詳しい条件は国税庁「青色申告特別控除」を確認してください。
また、領収書を写真で保存することと、「優良な電子帳簿」の要件を満たすことは別です。e-Taxを使う場合も、申告書だけでなく青色申告決算書などの必要なデータを期限内に送ることが前提になります。国税庁の65万円控除の適用要件の説明も参考になります。
ソフトを選ぶ前に、記録を集める場所を決める
元のnoteでは、クラウド会計ソフトを使う方法を紹介しました。ただ、ソフトは取引の意味をすべて分かってくれるわけではありません。連携した明細にも、生活費や、別途登録した支払いが混ざることがあります。
準備として、まずは次のものをどこで管理するか決めておくと、後から探す手間を減らせます。
- 売上に関する請求書や、入金を確認できる明細
- 支払いの内容が分かる領収書・請求書
- 仕事用と私用が混ざる取引の、用途を説明するメモ
- すぐには処理方法が分からない取引の一覧
これは記帳を始めるための整理例です。必要書類や保存方法のルールを、これだけで網羅するものではありません。
「分からない取引は適当な項目に入れておく」より、「日付・金額・何の支払いか・分からない点」を残す方が、質問しやすくなります。税理士に相談する場合にも、そのまま説明の材料になります。
ソフトを使うなら、入力できるかだけでなく、必要な帳簿や決算書を作れるか、どの方法で申告するかまで確認します。自分で全部進めるか、一部を専門家に頼むかも含めて、続けられる方法を選びましょう。
今日やるなら「提出済みか」を確かめるところから
最初の一歩は、簿記を一気に覚えることでも、有料ソフトを即契約することでもありません。
承認申請の控えを探す。使いたい年分の期限を確認する。分からない点をひとつ書き出す。このどれかができれば、次の作業が見えてきます。
元になった「フリーランスなら絶対知っておきたい節税術!自由とお金を守るリアル話」(note)では、青色申告以外の制度についても触れています。制度はそれぞれ対象や条件が異なるので、一度に全部使おうとせず、ひとつずつ確認していきましょ。
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サムネイル写真:Mikhail Nilov / Pexels(Pexels License)。写真はイメージです。
