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フリーランスの仕事量の上限はどう決める?稼働時間と案件数の考え方

フリーランスの仕事量の上限はどう決める?稼働時間と案件数の考え方

「もう1件くらいなら受けられそう。でも、最近ずっと仕事のことを考えてるな……」

フリーランスで仕事が増えてくると、納期には間に合っているのに、生活の余裕がなくなることがあります。

仕事量の上限を決めるなら、まず生活を削らずに使える週の時間を出し、そこから事務作業と予備時間を引く。残った時間に、会議や連絡、修正まで含めた案件の工数が収まるかを確認します。

「月に何件まで」と件数だけで決めるより、次の依頼への返事に使いやすい方法です。

どうも。プロの引きこもり、まつながです。

ぼく自身、独立して仕事が増えた頃は、売上を伸ばすことに目が向いていました。でも、同じ働き方を翌月も続けられるかまでは、十分に考えられていなかったんですよね。

今回は、その反省を踏まえて、仕事量の上限を数字と予定に落とし込む方法を整理します。以下の時間や件数は説明用の例なので、自分の働き方に置き換えて使ってください。

まず、生活を残した状態で週に何時間働けるかを出す

最初に決めたいのは、仕事を始める時刻と終える時刻、休みの日です。

そのうえで、食事や休憩、家事、通院、家族の予定など、仕事に使わない時間を除きます。仕事を入れた残りで生活を回そうとすると、忙しい週ほど生活の方が押し出されちゃうので。

たとえば、平日の10時から17時までを仕事の枠にして、毎日1時間は昼休みにする場合。

(7時間 − 休憩1時間)× 5日 = 週30時間

これが、その週に仕事全体へ使える枠です。30時間すべてを納品物の制作に使えるわけではありません。

副業なら、本業や移動、家の用事を終えた後に、無理なく確保できる枠だけを数えます。「土日は予定がないから全部働ける」は、ひとまず保留で。休む予定だって、予定です。

毎週同じ時間を確保できない人は、まず今週と来週を別々に計算してみてください。

事務作業と予備時間を引いて、案件に使える枠を決める

フリーランスには、納品物を作っていない時間にも仕事があります。

  • 請求書の作成や経費の整理
  • 新しい依頼の相談、見積もり、営業
  • 自分の発信や学習

これに加えて、作業の遅れや急な用事を吸収する予備時間も残します。予備時間まで売り切ると、ちょっとした予定変更を夜や休日で埋めることになるからです。

週30時間の例なら、次のように分けられます。

時間の使い道 週の時間の例
仕事全体に使える枠 30時間
案件共通の事務・営業など −4時間
予定変更に備える予備時間 −6時間
契約中・新規の案件に割り当てる枠 20時間

予備時間を何時間にするかに、一律の正解はありません。これは「2割空ければ大丈夫」という基準ではなく、計算の例です。見通しの立ちにくい仕事や予定が多ければ、さらに余裕を取ります。

ここでは、案件そのものに付随する会議や修正は、次のステップで各案件の時間に含めます。二重に引かないように分けておきましょう。

案件の工数には、会議・連絡・修正も足す

「この作業なら週5時間」と見積もった案件でも、実際には定例会議があり、事前準備があり、チャットの確認があり、修正がある。

カレンダーは空いているのに忙しいときは、こういう時間が見積もりから漏れていないかを確認します。

1案件にかかる作業 週の時間の例
制作・実作業 5時間
会議と準備 1時間
連絡・確認 1時間
通常想定する修正 1時間
合計 8時間

案件に使える枠が週20時間なら、この条件の案件を2件受けると16時間。残りは4時間です。

同じ条件で3件目を受けると24時間になるので、今の枠には入りません。「あと1件」でも、必要なのは8時間なんですよね。

ただし、これは同じ負荷の案件が並ぶ場合の計算です。軽い保守と、新規の立ち上げを、どちらも「1件」と数えるだけでは判断できません。件数の上限は、各案件の合計時間を出した後に考えるのがよいと思います。

また、週平均では収まっていても、同じ週に納品が重なればオーバーします。受ける前に、納期が集中する週も見ておきましょう。

時間に収まっても、予定が細切れになりすぎないかを見る

同じ週20時間でも、まとまった作業時間を取れる仕事と、毎日こまめな対応が必要な仕事では、予定の組みやすさが違います。

たとえば、午後に3時間の作業が必要なのに、途中に会議が2本入っていたら。「合計3時間空いてるから大丈夫」とは言いにくいですよね。

新しい案件を検討するときは、時間の合計と一緒に、次の条件を確認します。

  • 会議の曜日・時刻は固定か、毎週変わるか
  • 返信はいつまでに必要か、その日のうちでよいか
  • 自分だけで進められるか、確認待ちが多いか
  • 繁忙期や納期が、既存案件と重ならないか

分からない条件が多いなら、すぐに「できます」と返さず、先に確認する。その確認も、仕事量を見積もる作業のひとつです。

上限を超える依頼には、変えられる条件を返す

計算して枠を超えたとしても、断る以外の選択肢がある場合もあります。開始日、納期、担当範囲のうち、どこを変えれば対応できるかを考えます。

たとえば、さっきの例で残りが週4時間なのに、週8時間の依頼が来た場合。こんな返し方ができます。

ご相談ありがとうございます。現在の稼働状況ですと、今月は週4時間程度まで対応可能です。まずはAの作業に範囲を絞る形であれば、お受けできます。Bまで含めた対応をご希望の場合は、開始時期を調整できるかご相談させてください。

これは返答例なので、作業名と時間は実際の見積もりに合わせて変えてください。

相手にも「今はここまでなら頼める」と伝わる方が、相談しやすくなります。来月の予定がまだ読めないなら、「来月ならできます」と約束する必要もありません。

収入が気になる場合も、夜や休日を足す前に、担当範囲や単価、今後の契約更新時期を並べて考えたいところです。既存の約束を急に変えるのではなく、相談できるタイミングで調整していきます。

まず2週間、見積もりと実際の時間を比べてみる

最初に決める上限は、仮置きでOKです。ここで提案したいのは、まず2週間だけ、案件ごとの見積もりと実際の時間を記録してみること。

厳密な計測が負担なら、作業が終わったときに「会議1時間、作業2時間、連絡30分」とメモするくらいから始めましょ。

週の終わりには、次の3点を確認します。

  1. 見積もりから抜けていた作業は何か
  2. 決めた終業時刻や休日を守れたか
  3. 来週も同じ予定で働きたいと思えるか

毎週、予備時間が通常作業で埋まるなら、見積もりや受けている量を見直します。「なんとか終わった」を、次の週の標準にしないためです。

2週間だけで繁忙期まで分かるわけではないので、月末や納期が集中する時期にも確認します。上限は一度決めて終わりではなく、実際の働き方に合わせて調整するものです。

次の依頼に返事をする前に、この4つをメモする

今日やるなら、まずはこれだけで十分です。

  • 今週、仕事全体に使える時間:__時間
  • 事務作業と予備時間を引いた案件の枠:__時間
  • 既存案件に必要な時間:__時間
  • 新しい依頼に必要な時間と、納期が重なる週:__

新しい依頼を足しても枠の中に収まり、必要な作業時間をカレンダー上でも確保できるか。ここまで確認できると、「なんとなく不安だけど受ける」から一歩進めます。

ぼくは、仕事が増えたときほど、売上と一緒に生活の余裕も見たいと思っています。仕事量の上限は、そのために自分で持っておける判断材料です。

この考え方の背景をnoteに書いています

仕事が増えたときのぼく自身の経験や、暮らしを後回しにしないために考えていることは、「フリーランスが月収100万超えを目指すよりも大切にしたい『仕事量の上限』について」(無料note)にまとめています。

数字を整理したうえで、自分がどんな働き方を続けたいかも考えたい方は、こちらも読んでみてください。


サムネイル写真:写真:Tatiana Syrikova / PexelsPexels License)。